学生レポートvol .9|【2024年3月号】井上さんの苺な毎日

今号は愛媛大学社会共創学部山口信夫ゼミのみなさん([3回生]川上和月さん/小松美雨さん/原田実乃里さん、[2回生]佐野蒼介さん、篠原悠希さん、渡邉亜美さん)が取材に同行してくれました。
学生の立場からまなざす食の生産現場をレポートとして掲載します。

井上苺園の1年とある1日のスケジュール

春のイメージが強いいちごですが、井上さんご夫妻のお仕事は1年間ノンストップ。
2〜5月は適当な数に葉っぱを取り除く「葉かき」、養分をいちごに届けるため一定数のつぼみを取る「摘蕾」をメインに行います。
もちろん収穫シーズンにもあたるため、毎朝の収穫と出荷準備も欠かせません。
また、観光農園としていちご狩りの受け入れも同時に行っています。

取材当日も多くの方がいちご狩りに訪れました。洋平さんによるいちご収穫講座

5月〜9月は字の通り苗を育てる「育苗」。
22,000株ほど用意し、実際に植えられるのはおよそ18,000株です。
9月〜11月は育苗で育てた苗を移す「定植」と、病気になってしまった株を入れ替えながら収穫時期に向けてコンディションを整えていきます。
11月〜6月の収穫シーズン以外にもやることは山積み。
ここで紹介したのも主だった作業のみです。

そんな井上さんのある1日をご紹介します。

6:00 起床・身じたく
7:00 ビニールハウスに到着・作業開始(2月~3月だと収穫時期)
12:00 休憩
13:00 作業再開(出荷準備など)
17:30 地元のスーパーや道の駅に配達
19:00 帰宅・夕食など
20:30 いちご狩りの予約リスト管理など事務作業
22:00 井上苺園のSNS投稿記事作成
24:00 就寝

まずは朝6時ごろに起床し、身支度と朝食を済ませ午前7時にはビニールハウスに向かいます。そして、作業開始し12時から約1時間のお昼休憩をはさみ、また午後の作業に戻ります。夜7時半ごろから、島内のスーパーへの配達に向かいます。その後、経理やいちご狩りの予約リストの管理など事務作業を行います。
すべての作業を終えて、夕食は家族団らんのひと時…かと思いきや、やはり井上さんが話題にするのはいちごの話だそうで、お子さんたちには「またいちごの話!」と言われることもしばしば。
そして、翌日に向けてなるべく日付が変わる頃までには就寝できるようにしているそうです。
常にいちごを想い、生活の中心には“いちご”という井上さんのいちごへの愛をたくさん感じました。

山口ゼミ生によるいちご試食レポート

取材当日、井上さんのご厚意で苺の食べ比べをさせていただきました。
その時感じた感想をレポートにまとめてみました!

試食したのは「あまおとめ」「すず」「紅い雫」「はるひ」の4種類

[育て方について]
井上苺園では「養液土耕栽培」という方法でいちごを育てています。
養液土耕栽培では、いちごの苗が育てられている土の上に1日4回パイプをつたって、窒素やリン酸、カリウムなどを配合した液肥をまいています。
寒い時期にじっくりと育てることで甘いいちごを作ることができるため、ビニールハウスの室温を日中は25,26℃、夜は6,7℃になるように調整しているそうです。
また、いちごが休眠しないようにする為に電気をつけておくなど、甘いいちごがさらにおいしく育つように丹精を込めて、井上ご夫妻は日々研究をしているそうです。

井上さん夫婦と愛媛大学山口ゼミ生のみなさん