編集部レポートvol.9【2024年3月号】井上苺園のあまおとめ

しまなみ海道は愛媛県今治市から広島県尾道市までを瀬戸内海を縫うように点在する島々で結ぶ連絡橋だ。
その中でも大三島は丁度両県の中間地点に位置する瀬戸内で4番目に大きな島。
えひめ・こうち食べる通信は、今回「井上苺園」の井上洋平さん・衣美さんにインタビューをしました。

大三島のあまおとめには“ハチマキ”がない!?

—あまおとめの特徴を教えて下さい!
洋平さん

「うちでは今期は6種類のいちごを育てています。今回メインでお届けする“あまおとめ”は愛媛県で作られた品種なんです。“さがほのか”と“とちおとめ”をかけ合わせた品種で香りとジューシーさが特徴ですね。見た目でいうとヘタの周りが色づきにくく、白い部分が残ります。これは“ハチマキ”と呼ばれています。」
—ハチマキ…!面白いネーミングですね
洋平さん
「キャッチ―ですよね。でも大三島で育ったあまおとめは『ハチマキがほとんどない』んです。ヘタの周りまでよく熟れます。」
衣美さん
「知事がイベントで大三島にいらしたときに『これはあまおとめですよね、それなのにハチマキがない!』と仰ってくださいました。」
—何か要因はあるんですか?
洋平さん
「それがわからなくて…ここからは予測でお話しますが、瀬戸内の日照時間の長さや海からの照り返しがそうさせるのかなと考えています。また、気温が下がる夜に甘みが増すので、日中気温が上がる前の早朝に収穫することで甘みを逃がさないようにしています。」

井上苺園のあまおとめ。“ハチマキ”部分まで赤く色づいている

生きものたちが支える苺づくり

井上苺園には現在約18,000株の苺が養液土耕栽培で育てられています。
この苺園を支えていのは井上さんご夫婦とご両親、そして従業員の地域の方々…それから小さな生きものたちがいます。
—そういえばこのハウス内にはハチがいますよね?
美衣さん
「はい、受粉を手伝ってくれるセイヨウミツバチを飼っています。」
—昨年1月号には日高村のフルーツトマトを特集したのですが、そういえばその時もハウス内でハチ(クロマルハナバチ)を飼っていました…!
美衣さん
「そうなんですね、確かメロンなんかもハチ使って受粉させる方法があったはずです。セイヨウミツバチは穏やかな性格なので刺激さえしなければ自ら刺してくることはありません。だからいちご狩りをしてもらう時も安心してもらいやすいです。ちなみにこのハウスにはハチの他にも“害虫となるダニ”を食べる“天敵のダニ”がいて肉眼では見えないけどこうして生きものたちの力を借りて苺を育てています。」

セイヨウミツバチも大切な仕事仲間

朝採れのあまおとめを頬張ってほしい

衣美さん
「井上苺園では完熟のものを朝収穫してその日のうちに発送します。やっぱり採れたてに勝る美味しいタイミングってないので…みなさんにも食べてもらって爽やかな甘みを実感してもらえると嬉しいです!」
—私たちもいただきましたが、一口かじるとじゅわっと果汁が溢れてとっても美味しかったです。ちなみにおすすめの食べ方などはありますか?
洋平さん
「やっぱり新鮮な生果で食べてもらうのが一番ではありますが…こういうのは妻の方がキッチンカー担当なのでわかるかもしれません」
衣美さん
「う~ん、確かに素材本来の美味しさを味わってもらうことを考えると一番のおすすめはそのまま生で食べてもらうことですね!アレンジしたい方にはフルーツサンドがいいかも。でもあまおとめ自体が甘いのでクリームは甘すぎないものを使うとか、クリームチーズを使うとか、さっぱり仕上げてもらうのが良いと思います!」

井上さんご夫婦にインタビュー。左が洋平さん、右が衣美さん