Vol.18(2022年9月号)池川こんにゃく

清流の町で母たちがつくり続けてきた味を受け継ぐ

池川こんにゃくは、高知県仁淀川町池川に伝わる昔ながらのこんにゃく。
町内の加工場で地域の女性たちがつくり続けた味を受け継ぐのは「山のめぐみ舎」古城亜希子さん。
愛媛県との県境にある仁淀川町の約9割が山林。
海からも遠く、米作りにも不向きなこの土地で池川こんにゃくはお祭りや親戚の集まりなどで振舞われる「ハレの日」のごちそう。

手間ひまかけて丁寧に丸められたこんにゃくはつややか。
ぷりぷり、ざくざくとした歯ごたえとともに自然が育んだ味わいを嚙みしめたい。
スーパーやコンビニが身近な存在となった昨今、便利になったからこそ失われつつある食文化がいくつもある
今こそ、各地の風土によって形成されたちいさな物語に目を向ける時だ。

(特集:高知県仁淀川町池川「山のめぐみ舎」の池川こんにゃく)